11.中国地方横断 |
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再び高速道路に乗り入れおよそ二時間、広島を過ぎ五日市のインターチェンジを降りる。そこから島へのフェリーボートが出る、宮島口までは半時間足らずだった。到着は3時半。 13.岩惣旅館 |
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しかしTの思い入れは微妙に異なるようだ。彼の祖父は伊予松山近在の出身で、若くからの親友が謡を厳島神社奉納に毎年、松山から来訪した時期があるらしい。この親友と会うために、柳井から孫を連れて宿舎だった岩惣を訪ね、いつも「岩惣は良い宿だ」とTに語りかけていたらしい。質素な人だったので、本人は終生此処に泊まることをしなかった。幾星霜を経てTもその頃の祖父とあまり変わらぬ年齢となり、「泊まりたかったであろう」祖父の思いを替わりに果たしたいらしい。 |
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マイクロバスは発進すると厳島神社とは逆の方へ向かった。狭い島で、「世界遺産」との関係もあり、車道はかなり迂回しなければならないらしい。さらにその制限の中で「少しでも眺めの良い道を」とのサービスから、「ウグイス道」と名付けられたルートだ。途中で停車すると、「この高見から厳島神社とその界隈が一望できます」と案内してくれた。せっかくだから撮影すれば良かったのに、今となっては後の祭り。 14.厳島神社(1) |
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通常であれば、船でも雇わなければ見ることのできないアングルと思う。しかし厳島神社の良さは、景観的にも洋上に浮かんでこそと改めて思った。一応十枚ほど撮影し、干潟歩きを終わりにする。 |
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閑話休題。2004年9月の台風では国宝の左楽房倒壊をはじめ、甚大な被害を受けたことは記憶に新しいが、今は見事に復旧されている。ちなみに寄進者掲示板に四千五百万円の金額があり凄いと思ったが、左楽房再建をはじめ厳島神社の重要な工事を再三請け負っている増岡組の社長だった。 15.文月のさわやか涼会席 先付け:焼茄子寄せ 黄身辛子 丁字茄子 前菜:穴子玉子 エシャレットペッパー揚げ 鮎笹の葉寿司 フルーツトマトクリームキャビア 新もろこし小袖焼き 酢蓮根 造り:瀬戸の白身魚洗い 鱧落とし 鮪とろ 焼き物:すずき蓼焼奉書包み 姫さざえ 酢取茗荷 冷し鉢:夏野菜焚き合わせ 冬瓜 団扇茄子 才巻海老 ゼリーあん 椎茸 環人参 三度豆 振柚子 箸洗い:葛そうめん 小梅 紫蘇の葉 洋皿:比婆牛ローストビーフ 彩り野菜 ルッコラ ベビーリーフ アボカド パブリカ 香味ドレッシング 揚物:太刀魚アスパラ巻き 宮嶋沖海老素揚げ 香味塩レモン 食事:白飯 浅利時雨煮 香の物:水茄子 京紫 留椀:鯛赤出し仕立て 水菓子:フルーツあんみつ仕立て 梅酒ゼリー 水羊羹 葛きり 西瓜 メロン チェリー 写真は何故撮影し忘れた。 |
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16.厳島神社(2) |
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拝観料300円を再び払い中へ入る。雨空のため海の色が失われているのは残念だけれど、しっとりした雰囲気はこの神社にふさわしいし、平日の早い時間帯ゆえか拝観者が少ないのはさらに有り難かった。 |
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