島後の西北部
窓ガラスに叩き付ける雨音で目を覚ました。
時計を見るとまだ5時だ。ベッドを出て窓際から表の様子を窺う。雨量は大してないものの風が強い。僅かに射してきた黎明の光に、雨滴が白い縞模様となって横へ流れてくる様が見えた。 | ||||||||||||
西郷港界隈
風待ち商店街の突き当たりは、隠岐汽船のターミナルビルになり、乗船券の購入や、高速船の予約などは此処で行う。
利用するのはまだ先のことだが、見物を兼ねて一応偵察。切符売り場は一階にあり、二階から埠頭への連絡通路が延びている。しかし埠頭に着くと結局一階へ降りることになるため、慣れた客はそのまま下を行くようだ。
そのまま海岸通りを西へ向かい、港大橋を渡る。50メートル先に宿があり、我が部屋の外観をと9階を見上げると、上空に青空が拡がって行く。
8時台のバスは逃したけれど、昼からの晴天は期待できるかもしれないと淡い期待が浮かんだ。しかし道なりに歩いて行くと、大して時間も経過しない間に、暗鬱な曇天に覆われてしまった。 | ||||||||||||
漁協直営りょうば
部屋での二時間を読書その他に当て、11時少し前に再出発する。レストランりょうばの開店時間にあわせたのだ。二階部分は円形のラウンジ風建物で、床から天井までガラス張りの開放的な構造は、埠頭からさらに湾を隔てて金峰山などを望む快適なものだ。惜しむらくは曇天が風景から輝きを奪っている。 | ||||||||||||
冷や酒四杯と刺身盛り合わせ、追加注文したもずく酢の物、冷や奴を片付け、席を立ったのは11時50分だった。勘定は3,900円。りょうばと道を隔てた反対がバスターミナル的な「ボートプラザ」
停留所で、遅滞なく11時55分発の五箇方面行きバスが来る。 | ||||||||||||
この辺りから(バス路線のない島北西部を)歩いて、北部方面路線バスの最終点となる伊後まで、距離にしておよそ16キロであろうとは、二万五千分の一地形図から、目の子で拾った値だ。(一日三本しかない)伊後発バスの最終
が4時4分ということは、持ち時間は3時間20分。かなり急がないとタクシーで二十数キロを走ることになる。 |