北海シマエビ紀行(2)
間遠ではあったが国道を走る長距離トラックのエンジン音は、一晩中絶えることがなかった。しかし離れていたせいか、騒音とは感ぜず、夜汽車の響きに似てどこか郷愁をかき立てるものがあった。 | ||||||||
8時半近くになって出発した。窓全開では寒すぎるが、細めに開けて流れ込む清々しい大気が心地よい。半時間ほどで浜頓別に着き、クッチャロ湖の道標を見て寄り道することにした。 | ||||||||
コーヒーはお預けにして北上を継続する。次第に人家が増え、漁港を通過すると宗谷岬だった。到達したのは10時。 | ||||||||
国道238号線を道なりに辿り、稚内市内で40号線の道標が目に入った。この日の目的地はサロベツ原野周辺を考えていたが、この交差点から原野まではおよそ50キロで、現在時刻は11時にしばらくある。直行すれば時間を持て余すと思ったとき、道標が右へ行けばノシャップ岬と教えてくれたのは幸便だった。
ノシャップ岬をあとにして、サロベツ原生花園へ向かう。近付くに従い問題が一つ発生した。これまで地図の類なしに目的地まで到達できたのは、ひとえにカーナビゲーターシステムのお陰だが、これの使用方法をほとんど知らず、目的地の
設定は(設備や個人宅の)電話番号入力によってしかできない。それゆえに「サロベツ原生花園」ではナビゲーションが始まらないのだ。 | ||||||||
原生花園には無事到達できたが、見物人が多い上に、大型観光バスが駐車しているのを目にしてそのまま通過。湿原の西端
となる開運橋まで行き、運動がてら辺りの様子を眺める。 | ||||||||
しばしの感慨は同行の二人には全く関係のないことだった。原野をあとにして兜沼キャンプ場を目指す。此処は昨日入手した「北海道オートキャンプ場ガイド」に電話番号が載っているので、ナビゲーションシステムが利用できる。 |