***目次***
旅程(列車などのPDF)
1.旅程
2.盛岡で途中下車

3.青森
4.Oさん夫婦
5.弘前 野の庵
2.弘前
6.弘前駅前居酒屋 ます酒
7.鶴岡で定食
8.鶴岡の居酒屋堂道
9.終章
1.旅程
  この冬も雪見酒紀行。昨年同様、JR東日本・北海道管内を5日間乗り放題パス(利用期間限定で、今回は1月15日~29日)である、「大人の休日倶楽部パス 」を利用する。しかし旅程に多少問題が発生した。ここ数年の雪見酒紀行は、初日の土曜日に八戸在住のOさん夫婦にお付き合いいただき、その後に函館、弘前などを巡っていた。
  しかし今年のカレンダーでこれを実行すると、4日目で利用期間最終日になってしまうのだ。無い知恵を絞った末、初日に函館まで行ってしまい、2日目が青森、以後はほぼ例年通り巡り、愛犬ベルがいなくなったので、前後に訪れた北軽井沢はなしとした。その代わりに高崎から新幹線で佐久平へ行き、此処から小海線で八ヶ岳山麓の雪景色などを眺めて小淵沢へ。そこからは甲府に1泊して帰宅する。

2.盛岡で途中下車

  大人の休日倶楽部パスは指定席券売機で購入することができる。そして6回まで指定席を利用できるけれど、どうやら券売機で指定するのは不可能らしい。東北・北海道新幹線で、盛岡以北へ行くには、全席指定のはやぶさを利用しなければいけないのが問題だ。
  元々嫌いな指定席を使うために、わざわざ緑の窓口がある駅まで行くのも業腹だ。あれこれ考えた末、仙台までやまびこの自由席で行き、そこから先はどうせ空いているだろうから、立ち席承知ということで乗車することにした。
上:ももどり駅前食堂のお品書き。
下:ももどり定食ご飯抜き。
  仙台の乗り換え時間は5分で短いけれど、やまびこが仙台終着のため、上りホームに停車し、下りホームへ移動しなければならなかったのはちょっとした誤算だった。しかし無事にはやぶさに乗車し、盛岡着は定刻の10時55分だった。昼飯・昼酒のため途中下車する。
  以前は駅前にランチ営業する居酒屋があり、数回利用したことがある。しかし夜だけの営業に変わってしまったので、昨年12月には焼き肉屋の盛楼閣に入った。しかし値段の割りに不満が残る昼食だったので、改めてネットで事前調査した。その結果目星を付けたのは駅から徒歩5分のももどり駅前食堂だ。名前は好みに合わないが、クチコミ評価をみるとそれなりに良さそうだった。
  入店してともかく、「焼酎麦お湯割り、焼酎お湯半々」を注文してからお品書きを閲す。ももどり定食が他の定食より若干高く、店の名前を冠するならばそれなりに自信を持って提供するのだろう。これを頼むと、「15分ばかり時間を頂戴します。」と云われた。繋ぎに早く出せるという、ワラビのお浸しを注文し、飲みながら定食を待った。
  やがて供されたものは、鶏の腿三つを焙ったのがメインで、煮卵や茶碗蒸しなど品数も多い。鶏の焼き加減味加減は良かったが、食べるのに苦労した。テーブルナイフの提供などを要求すれば良かったのかもしれない。焼酎のお湯割り3杯を干して、1時間弱で昼食を終える。
  盛岡発12時37分のはやぶさに、余裕も持って乗車できる。この余裕で緑の窓口に寄り、空いている号車番号を訊くことができた。2、3号車だと教えて貰う。車窓から次第に深くなる雪景色を楽しみ、新函館北斗で在来線に乗り換え、函館駅から徒歩10分の、東横イン函館大門にチェックインしたのは3時を少し回っていた。
  一眠りし、宿から5分の函館大門横丁に出向いた。顔馴染みの店を2軒ばかり回ったが、特筆するようなことは無かった。7時頃には宿に戻り(私としては日常的だが)早々就寝する。
 3.青森

  一夜明けた函館は、風もなく穏やかな朝を迎えた。青森へ移動するだけなので、早く出かけると着いてから時間を潰すのに苦労する。そんなことで、早起きし朝食も7時前に済ませたが、部屋に戻りコンビニで買い込んだ朝刊を読んだり、それでも持てあましてフリーセルなどに興じる。ちなみに朝刊はスマートフォンでも閲覧できるが、古い人間なので紙の方を好むのだ。
  9時40分にチェックアウトし、函館駅構内に入ると、9時49分発のはこだてライナー新北斗行きの発車が迫っていることがアナウンスされた。しかし当初より、10時5分発の札幌行きスーパー北斗に乗るつもりでいたから、足取りを速めたりせずゆったり行こうと、特急列車を目指した。ちなみに有料特急なので普通に利用すると自由席で150円取られる。大人の休日倶楽部パスならば、特急券を購入することなく利用できたのだ。
  しかし2両しかない自由席車に辿り着いたとき、この判断が間違っていたことに気付いた。既にかなり混み合っていた上に、大型スーツケースを携えてた中国人グループが続々乗車し、おまけに乗車口付近にたむろしブロック状態を構成している。これでは停車時間の短い新函館北斗で降り損なうリスクが発生した。
  ともかく次の停車駅、五稜郭で席を立ち、少しでもデッキの近い位置を確保した。結果的に降車はできたものの、精神的にそして肉体的にも全然「ゆったり」ではなくなってしまった。
  新青森で乗り換え、奥羽線経由で青森駅に到着する。駅前の東横インにチェックインし、荷物を預けカメラだけを持って昼飯・昼酒に向かう。目指したのは20年以上前から度々利用している、駅前食堂おさないだ。しかし20数年通って初めて目にする、白いシャッターに貼り紙がされている。「まさか閉店したのか?!」と思いながら近付くと、通告内容は、「店主インフルエンザのため29日まで閉店します。」だった。昼飯の場所が宙に浮いたのは困るが、閉店ではなかったことに安堵する。後になって痛恨の極みと思ったのは、シャッターに掲示された告知の画像を撮影し忘れたことだ。

 
 
   上:鰊の切り込み。下:カキフライ。
  ともかく昼酒の場を探さねばならぬ。再開発商業施設のアウガ地下には、市場と直結したような和食の店があるものの、いかにも観光客相手の業態は嫌いだ。以前おさないが満員だったとき利用した焼き肉屋も覗いてみたが、何となく入る気がしなかった。
  新町通(駅前通り)をおさないから2分ばかり歩いたところで魚介料理の店「柿源」が目に入った。時分どきだったけれど空いているので、落ち着いて飲食できそうだ。
  店内に入ると、先客は一組だけだった。麦焼酎のお湯割り半々を注文し、お品書きを見る。青森ならばホタテかと思ったが、カキフライの方に食指が動き、これで飲むことにした。
  飲みながらお品書きを改めて眺める。「サモダシの佃煮」なるものに興味を惹かれ店主に尋ねると、茸の一種だと云う。ともかく頼んでみたが、あいにくと品切れだった。代わりに鰊の切り込みを頼む。
  1時間弱で昼飯・昼酒を終了する。宿が入室できるのは3時からなので、1時間ほど待たなければならない。行きたいところはないし、喫茶店などで不味いコーヒーを飲みながら時を過ごすよりは、ホテルのロビーがましだろう。結局東横インへ行き、フリーセルで1時間を潰した。

4.Oさん夫婦

   Oさん夫婦とも長い付き合いで、2011年以降は雪見酒紀行に毎年お付き合いいただいている。以前は青森市在住だったから、青森駅近辺や彼等の住まいで宴会し、それからは八戸に転居したのでそちらでと云うのかここ数年のパターンだった。
  しかし今回はかなり変則的なことになった。夫君の勤務地が五所川原に替わり、しかし短期のため引っ越しはせずに車で通勤しているという。そのため中間地点の青森駅近辺が再会の場所となった。夫婦で青森に1泊するとのことだ。
  久し振りに会えるのは楽しみだが、ハードなスケジュールをしいるようで恐縮至極だったが、代案もなくこれに決まった。青森で飲むならば、以前彼等と一度利用したふく郎はそれなりに良かった。Oさん達にこれと云って当てはないとのことで、予約しようとふく郎へ電話した。ところが意外な反応で、「土曜日は良い魚が仕入れできないことが多く、明日も市場の状況次第で店を開けられなくなる. . . .」と云うのだ。
  当日6時に東横インのロビーで待ち合わせる。事前にふく郎閉店に備えて情報収集した。青森出身のAさんにLINEで問い合わせたところ、「樽 確かすし居酒屋だったと… おすすめです。」との返信があった。位置的にはふく郎と似たようなものだ。一応Oさん達に確認してから決めることにした。
  彼等から異議とか代案はなく、早速樽へ電話する。運良く、「1テーブルだけ空いてます。」との返事で、これを確保して店へ向かった。
  程なく到着し店内に入る。細長くカウンター席と板場があり、その奥に鈎の手になってテーブル席が4席。その奥に座敷があったような気もするが定かではない。
  一通りお品書きを見て焼酎ボトル、カンパチカマ焼き、鰊塩焼き、豆腐サラダ、鱈白子、刺身おまかせ盛り合わせなどを注文し、飲み始める。一年ぶりの再会でも、なんのわだかまりもなく会話が弾む。次々料理が運ばれてきて、簡単な説明と共に供された。どれも旨い。
  料理や接客、椅子テーブル、インテリアなどどれも良かったが、Aさんの情報にあった、「ちょっとガシャガシャと賑わってる感じですが(^^;」は正にその通りで、隣テーブルの青年三人組が盛り上がってうるさい。しかしこれだけ良質のものを比較的安価に提供していれば、若者が押しかけるのもやむを得ないのだろう。
  歓談と痛飲大食(と云うほどでもないが)2時間ほどで、一通りの料理と焼酎ボトル一本が空になる。「樽」での飲食は切り上げることにした。まだ8時20分ぐらいで宵の口だし、私としては多少飲み足りない感じもあった。すぐ近くに在る風変わりな居酒屋、あじ路を覗いてみる。しかしたった9席の狭い店内には先客が居り、3人分の空席はないので踵を返す。実のところ煙が充満し、やたらタバコ臭かったので、仮に坐れる状態であっても敬遠したであろう。これをきっかけにこの日はお開きとした。

5.弘前 野の庵

  翌朝は曇り空だけれど、雨や雪の心配はなさそうだった。青森駅始発の奥羽線上り普通列車で弘前へ向かう。ロングシート車輌で味気ない移動だ。40分ばかり辛抱して弘前到着。
  駅前の東横インに荷物を預け、弘前城址西濠の蕎麦会席、野の庵を目指す。時刻が早かったのでノンビリ歩いて行く。 岩木山が見えればの期待があったが、あいにく雪雲に覆われてサッパリだった。
  弘前へ来れば、必ず野の庵に寄ると云うか、あらかじめ連絡し営業していることを確認し、もし日程的に調整できなければ弘前へ来ることもない。十数年前に弘前城址を散歩していて偶然見付けた。それから雪見酒紀行では必ず立ち寄るようになったし、冬でなくても気が向けば此処の昼酒を楽しむ。ちなみに夜の酒宴は2006年秋の「みちのく観楓会紀行」で、私としては非常に珍しく、同行者と4名で訪れたのだった。
  野の庵に辿り着いたのは12時半近くなっていた。野の庵にしては珍しく、2グループが食事中だった。後で訊いたら、ご近所の方々が新年会をやっていたらしい。
  フロアにスタッフはいなかったので調理場の方へ声をかけると、女将の貞子さんがいつもの笑顔で姿を現したが、私であることが判ると踵を返し、暫時してお盆に載せたお湯割り焼酎とおしぼりを運んできた。
  久闊を辞した後お湯割りを飲みながら待つと、手早く整えられたお通しを持って、主の佐藤彰さんが姿を現す。あとはお湯割りの追加をお願いする以外は、総ておまかせで佳肴を味わいながら昼酒を楽しんだ。何時もより二品ぐらい多かったのは新年会のおこぼれに預かったのだろうか。ともかく最後の方は満腹状態になったが、それでも〆の津軽蕎麦まで全て平らげることができた。

6.弘前駅前居酒屋 ます酒

  弘前の晩酌は、いつもならば新鍛冶町の鳥畔へ行くのだが、日曜日なので休業しているだろう。駅周辺は以前探した経験からすると余り良い店がない。しかしコンビニで調達したツマミを肴に部屋飲みするのも気が進まなかった。一度利用したことのある、地元ジイサン常連客ばかりの居酒屋を探し、駄目ならば最悪チェーン店居酒屋でも我慢することにして出かけた。

上左:ショーケースに並んだツマミ。上右:良く判らずともかく二皿。
下左:鰊漬けにちょっと似た漬け物。下右:完食・完飲。。
  目指す居酒屋も見付からないので、ほとんど諦めかけたときに当該居酒屋の前に出た。「ます酒」が店名だった。中に入ると、以前と同様地元のジイサン達で賑わっている。6名ほどのグループが2組、小上がりで少し離れたところに陣取り私には理解できない言葉でどちらも盛り上がっている。カウンターには中年男が一人、雑誌を読みながら飲んでいる。多分ビジターだろう。
  カウンターの中には70代とおぼしき女将が一人で、他にスタッフはいないらしい。焼酎のお湯割りを頼むと作ってくれた。つまみはショーケースに並んだものを自分で選べという。ショーケースの上に並んだグラスやジョッキをみると、お湯割りも常連ならばセルフサービスでやるらしい。
  つまみは佳肴とはほど遠いものだったが、このような飲み方も好きだ。1時間弱でお湯割り5杯と、3皿のつまみを完食・完飲し徒歩3分の宿に戻る。6時40分に、ほろ酔いよりはだいぶ酩酊し、しかし日常的な酔い具合とは多分同じ程度で就寝した。実のところ就寝時の酔い具合は把握していないのだ。
7.鶴岡で定食
  弘前発7時52分の秋田行き普通列車で鶴岡を目指して出発する。ちなみに昨年は鶴岡で昼飯にしようと思えば、弘前発6時26分を利用しなければならなかった。だいぶ改善され、秋田での乗り継ぎ待ち時間も短縮されていた。
  鶴岡駅に定刻の12時19分到着。徒歩5分の下宿旅館?ともえに荷物を預け、カメラだけを携えてすたんど割烹みなぐちへ向かった。昨年12月にも鶴岡を訪れたのだが、事前に地元の家庭用品を商うケトルワンにお奨めの食事場所を問い合わせ、教えて貰った所だ。利用してみて推薦に納得していたから再訪した。しかし生憎店の前には、「本日臨時休業」の札が出されていた。
  仕方なく、鶴岡銀座通りにある本格中華料理屋、桃園飲茶点心店へ転進するこの店は数回利用したことがあり、それなりに満足していたところだ。しかし5分ほどで着いてみると、こちらにも、「連休します」の貼り紙がでていた。青森のおさないに始まり、今回の旅は昼食堂に嫌われているようだ。
  しかしもう一軒、かねがね再訪したいと思っていた店がある。入舟食事処だ。4年程前の秋、久し振りに鶴岡を時分どきに訪ねた。あらかじめグーグルマップで目星を付けておいた食堂は、入って念のため、「お酒は飲めますか?」と訊いてみたら、けんもほろろに、「酒は扱っていません。」と云う。酒に恨みでもあるのだろうか?
  仕方なく他を探したが、当時はスマートフォンも使用して居らず、行き当たりばったりでは中々見付からない。諦めて鮨屋に入ろうかと思った矢先に見付かったのが入船だった。気持ち良く昼酒を飲むことができ、滅多に投稿しない食べログのクチコミ評価に書き込んだのが以下だ。「昼酒を飲める店を探し、初めて訪れました。焼酎の水割りを注文すると、お通しにインゲンの梅肉和えと、もってのほか(食用菊)の胡麻和えが付いてきました。酒飲みには嬉しいですね。昼飯も兼ねていたので、サービス定食の豚肉ショウガ焼きを飯抜きで注文。「味噌汁は飲み終わってから。」の我が儘も、笑顔で受けてくれました。ショウガ焼きと付け合わせもそれぞれ旨く、満足の昼飯・昼酒です。焼酎水割りをもう一杯追加し、最後は熱々の味噌汁で締めました。勘定は全部合わせて1530円とコストパフォーマンスは高かった。」。
  その後は何回か再訪を試みたものの、火曜日が定休日らしく利用できずにいた。
上左:焼酎お湯割り。上右:左がお通し、右が定食の小鉢。
下左:サービス定食の生姜焼きご飯抜き。下右:食事を終えたのは2時10分前だった。
  ちなみに土曜は八戸などでOさん達と、日曜が函館で、火曜定休の野の庵に月曜行けば、鶴岡は火曜日になってしまう。実は4年前も火曜日だったが、団体の予約があり、臨時営業したらしい。
  前置きが長くなったが、入船に入店し、ともかく焼酎お湯割りを注文してお品書きを見る。結局4年前と同じサービス定食の生姜焼きをご飯抜きで頼んだ。
  お湯割りは待つほどもなくすぐに供され、まもなくお通しと定食の小鉢がカウンターに並ぶ。先客は常連らしいオバサンが一人だけで、カウンターの中と世間話に耽っていた。
  生姜焼きもそれほど待たされることなく運ばれてくる。早速箸を付けると旨い。盛り付けなどもどことなく洗練されているし、改めて店内を見回すと、大衆食堂とは一線を画す垢抜けた雰囲気だ。鶴岡の名店と云って良いのかもしれない。お湯割り三杯を干し、満足の昼食を終えた。

8.鶴岡の居酒屋堂道(どうみち)

  ともえ旅館に戻り一眠りする。ちなみに入室したときから既に布団は敷かれていた。
  夕方に目を覚まし、5時に宿を出た。向かったのは徒歩3分の堂道だった。鶴岡は飲み屋の多い街で、ともえ旅館の近辺にもスナックや居酒屋があまたある。これらは入りたい気の起こらない店ばかりだが、もう少し範囲を拡げれば、みたとこ良さそうな居酒屋はあちらこちらにある。しかし新規に店を開拓することには至って怠惰なため、鶴岡で利用した居酒屋は、堂道と、そのほとんど隣にあるセイゴの二軒だけだった。それもいつの間にか堂道ばかりへ行くようになった。

上左:お通し。上右:刺身三種盛りは平目、マグロ、ハマチ。
下左:モツ煮込み。下右:6時13分に全て平らげる。
  この店には昨年の12月にも来て、その時入れたボトルが残っていた。甲類焼酎の爽(地元の株式会社金竜が製造している)をお湯割りで飲む。ツマミは三品が並んだお通し以外に、刺身三種盛りとモツ煮込みを頼んだ。
  カウンターは4席ほどしかなく、それ以外に小上がりと、2階には宴会場があるのか、それらしい客が多数階段を登って行く。席数の少ないカウンターは利用する人もほとんどなく、それは私にするとありがたいことだった。取り分け煙害に曝される確率が低いのは何よりだ。
  つまみはそれぞれ旨かったが、余り食欲がなかった。結局いつも自宅で飲む程度を干し、食べる量は少な目で終わった。入店してから約1時間はこれも自宅で飲むのに費やす時間とほぼ同じだ。真っ直ぐ宿へ戻り早々就寝する。
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9.終章
  明くる日はどんよりした曇り空だったが、降り出すこともなかった。9時23分の特急いなほ8号を利用し新潟まで行き、新幹線に乗り換えて長岡へ。此処で昼飯昼酒を済ませて、再び新幹線に乗る。通常ならば割高で避けていところだが、「大人の休日倶楽部パス 」最終日なので大いに活用した。国境のトンネルを過ぎると、もう雪はほとんどない。このあと旅は、前橋、甲府と二泊したが、雪見酒紀行はこの辺りで筆を置くことにする。

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 ―― 雪見酒紀行2019完 ――
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