仙台居酒屋探訪紀行(雪見酒紀行番外編)
発端 例年の雪見酒紀行では、仙台を旅の最後に訪れることが多かった。雪こそあまりないものの、在住のO氏、N氏と酒を酌み交わす楽しみがあるからだ。しかし雪見酒紀行2009の旅程が概ね決まってみると、今回は易国間一泊が増えた分、旅程に余裕がなくなり、仙台は失礼せざるを得ない。この旨をあらかじめメールで通知したところ、折り返すように両氏からブーイングメールが送られてきた。行かないと拙いらしい。 | ||||||||
さくらのデパートは駅前広場と青葉通りに面し、特等地に在る。その裏側だからその辺りも一等地なのだろうが、雰囲気は一変して四十年前ぐらいの典型的場末横丁の佇まいが残り、その中でもひときわ濃厚に破れ赤提灯を掲げているのが鳥紀だ。 | ||||||||
はしご酒
ウナギの寝床のように細長く奥へ延びた店内は6メートルほどのカウンターがあり、先客5,6人が呑んでいた。カウンターの内側にはオバサンが4人。混雑時にはこのくらい人手をようするのだろう。小鉢に入った湯豆腐(120円)をツマミに冷やを一杯。この店の雰囲気も面白かったが、先があるのでこれで切り上げ、勘定は1,200円ほどだった。 | ||||||||
1950年創業というこの店は、雰囲気も良いし客あしらいにそつはない。しかし微妙なところで馴染まない感じがあった。いかにもクサイところがあり、客の方もリラックスしているようでどこか身構えて呑んでいるところがある。最たるは「四杯で打ち止め」ルールで、通常四杯飲めば充分でありながら、それをルールにされると面白くない。文句が多くなったけれど、客観的に評価すれば、良質な多分最上級の居酒屋と思う。その一方で、自ら望んで再訪することはなさそうだ。一杯にお通しで、割り勘は900円。 | ||||||||
源氏を出てまた横丁路線を脱線する。すたすた行くO氏の後を追い、どこをどう歩いたか判らぬうちにビルの二階へ。一歩店内に足を踏み入れると、そこは東南アジアのリゾート。その名もカフェ・チョロンだ。数組いた客は若い人ばかりで、接客しているのは若いと云うより、少女の面影を残したような子ばかりだ。 | ||||||||
壱弐参(いろは)横丁は一時間ほど前、表からその佇まいを観察して通り過ぎたところだ。目指すはその名も「二代目」。O氏が昔から通う居酒屋「一番茶屋」の息子夫婦が開いた店で、ここもまた数十年タイムスリップできるとはO氏の曰く。 | ||||||||
ここもほぼ満員に見えたが、テーブル席の方は誰もおらず、こちらへ寛いで落ち着く。既に充分飲食しているが、料理が自慢の店と見受けたので、一品、二品頼み、飲み物は地酒のリストから、これまた適当に選んだ。 | ||||||||