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岩手山。
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帰宅後調べたニュースによると、脱線事故は盛岡発10時2分の列車が、10時37分頃遭遇したらしい。盛岡発11時2分の列車に乗車し、この写真の撮影が11時33分だから、かなり近いところらしい。
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新幹線
23日は八戸から角館への移動で、距離的に近い上に新幹線を利用したため二時間掛からずに着く。新幹線は嫌いだから、なるべく避けるのだが、この区間は在来線利用では連絡が悪すぎた。
乗車券は既に通して(都区内→都区内)買ってあるので、乗り継ぎの指定券3,130円を購入。
この日も好天に恵まれ、田沢湖線(秋田新幹線)で盛岡を出ると、岩手山が白銀に輝く姿を見せてくれた。
発車してから十数分で雫石駅を通過すると、線路は次第に山間に分け入って行く。
ふと、秋田新幹線が最近脱線事故を起こしたのはこの付近であったかと気付いた。丁度車掌が通りかかったので訊いてみたところ「あと数分の所です」と答えてから、生真面目そうに「今日は大丈夫です」と付け加えた。それほど不安げな面持ちで尋ねたのかと、思わず苦笑する。勿論、雪崩も脱線事故も起きず、定刻の11時51に角館到着。
角館 石川旅館
角館をこの十年ほど、冬になると毎年訪れている。街の雰囲気も好きなのだけれど、それだけであればこれほど続かなかったと思う。いつも気持ち良く泊まれる石川旅館の存在、さらに云えばこの旅館にいる老婦人に会うために訪れると行っても良いだろう。
年齢は七十前後と思われるが、細身の体を和服に包み、いつもキリキリと働いている姿に小気味よさがある。何時の頃からか顔見知りになり、酒などたしなまない人なのに、こちらの晩酌に付き合って、昔の話や、日常身辺の話などをしてくれる。
名前もはっきり判らず、通称「オバチャン」。
方言が八割方だから、喋ってくれたことの半分は判らないのが正直なところだが、人柄の良さが滲み出て、いつも楽しく聞くことができる。今まで理解できたことからすると、この宿の先代に嫁いできた人の身寄りで、若い頃から手伝いを頼まれているうちに、次代女将の後見的な役回りになったらしい。お年だから、何時引退してもおかしくないから「今年あえるのが最後かもしれない」と、一期一会の思いもことさらとなる。
駅から10分で着いた石川旅館で、おとないを告げると、奥の帳場から主と共にオバチャンも顔を出してくれた。ホッと一安心。
荷物を預けて昼飯に出掛ける。徒歩3分のところにある郷土料理の店「むら咲」は、数年前に宿の主からお勧めの店として教えて貰った。山菜と白子ポン酢をつまみに冷や酒を三本。
ほろ酔い機嫌で、むら咲きから500メートルほどの大村美術館へ。此処はルネ・ラリックのガラス作品を中心とした個人美術館で、オーナーの趣味の良さが反映されている洒落た空間だ。しかし昨年訪れたときは休館日で、今年こそはと期待していた。
ところがまたしても休館日。「ハテ、昨年は水曜日に. . . .」と、訝しく思いつつ、閉ざされた入り口に近付くと、冬場は水木の二連休になっていた。
行く当てもなくなり、適当に道を拾いながら角館を彷徨う。宿へ戻ったのは3時だった。夕食はいつも通りのきりたんぽ鍋を中心としたもの。変化がなくてつまらないようだが、年に一度だけのことだから飽きることもない。むしろこれ
を肴に呑んで「角館に来た」ことを実感する。
田沢湖線、奥羽線、仙山線
24日は仙台で友人と会い、雪見酒を締めくくる予定だ。角館から仙台へは、新幹線を利用すれば1時間40分ていどで行くことが出来るが、これは都合が悪い。早く着きすぎて宿にチェックインもできないし、1,600キロの通し切符も買えない(折り返し区間を含むことはできない)。
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